大腸カメラでわかる主な病気

大腸の病気

大腸憩室症

大腸憩室とは、大腸の壁の一部が袋状に突出したものです。大腸カメラでは便が挟まっているのが観察されます。便秘などや加齢が原因と考えられています。症状がなければ、経過観察で構いませんが下血(憩室出血)や腹痛(憩室炎)があれば治療の対象になります。緊急手術が必要となる急性虫垂炎と症状が似ていることもあり注意が必要です。

大腸メラノーシス

大腸メラノーシスとは、センナ、大黄(だいおう)、アロエ等の大腸刺激性下剤を長期にわたって飲み続けた結果、大腸の粘膜に色素が沈着し、黒っぽくなった状態です。 単に色素が沈着するだけでなく、大腸の筋層の神経細胞が減少して、腸の動きが鈍くなり、便秘の症状が悪化していきます。そして、下剤がききにくくなりますので、お困りの際には受診をお勧めします。便秘薬の副作用です。今後、便秘への対処方法の再検討が必要かもしれません。

潰瘍性大腸炎

下痢、粘血便(血液・粘液・膿の混ざった軟便)、発熱などの症状を引き起こす大腸の炎症性疾患です。病状は治まったり(寛解期)、悪化したり(活動期)を長期間にわたって繰り返します。25歳~40歳ごろの若い世代に病気が見つかります。*発症原因は、環境因子・腸内細菌叢の変化、遺伝的背景とされていますが、単一のものではなく。特定されていないのが現状です。治療の継続が必要ですが、命にはかかわりません。*薬の服用が必要ですが、多くの方は無症状でコントロールが可能です。

大腸ポリープ

大腸の粘膜がイボ状に突出したものを大腸ポリープといいます。食生活の欧米化などが原因で日本でも増加傾向にあります。また加齢も関係しますので、年齢とともに増加していきます。大腸ポリープの多くは無症状であり、ほとんどは大腸カメラを受けてはじめて指摘されます。ほとんどは良性の病気ですが、大腸がんに移行するものや、“がん”がすでに含まれているものもあります。大腸ポリープのうちにきちんと切除をすれば、大腸がんを予防することが可能です。大腸カメラを無症状でも、定期的に(少なくとも2-3年に1回)受けられることをお勧めします。

大腸がん

大腸がんとは、大腸の粘膜に発生するがんです。日本で新たに大腸がんと診断される患者さんの数は年間15万人で(2017年)、高齢化と食生活の欧米化などが原因で年々増えています。男女を合わせると罹患数は1位で、日本人にとって最も身近ながんと考えられます。

大腸がん診断に必要な検査

便潜血検査が簡便であり、大腸がん検診に使われています。そのため、便潜血検査が陽性の場合や、血便や便通異常などの自覚症状がある場合にはもちろんですが、頻度の高い病気であるため、大腸がんの増えてくる40歳以降には必ず大腸内視鏡検査を受けましょう。現状では大腸内視鏡検査が最も大腸がんの診断に有用な検査です。

大腸がんの症状

大腸がんがある程度の大きさに進行すると、血便、便秘や下痢などの便通異常や腹痛などの症状が現れますが、早期がんはほとんどが無症状です。内視鏡治療などの低侵襲な治療で治癒する段階で大腸がんを見つけたいと考えるため、やはり無症状でも定期的な大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)を行うことをおすすめします。

大腸がんの治療

病期(ステージ)に応じた標準的な治療方針があります。早期のがん(ステージ0とⅠの一部)であれば内視鏡治療で完治します。つまり手術を受けずに済むことも多くなっています。残念ながらステージⅠの残りとステージⅡ・Ⅲのいわゆる進行がんでは手術治療が必要です。最近では技術が進み、お腹に穴を開けて行う腹腔鏡手術やロボット手術が可能となっており、以前に比べて体への負担が少ない手術が可能です。この治療によって多くの患者さんは治癒します。ほかの臓器に転移なるステージⅣの患者さんには手術のほかに放射線治療や抗がん剤治療を行います。肝臓や肺に転移したがんでも積極的な手術で治癒する方々も多くいらっしゃいます。ステージⅣの大腸がんの治療は病状により様々ですので、医師からよく説明を受け、患者さんとご家族の皆様でよく相談のうえ治療を決定していく必要があります。

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