胃カメラでわかる主な病気

食道の病気

胃食道逆流症(胃腸の調子が悪くなる病気と同じ)

胃酸が食道へ逆流することにより、胸やけや呑酸(酸っぱいものが上がってくる感じ)などの不快な自覚症状を感じたり、食道の粘膜がただれたりする病気です。げっぷ、胸の痛み、胃もたれやつかえ感、のどの違和感や声のかすれ、せき、耳のあたりの痛みといった症状がでる場合もあります。胃食道逆流症は、タイプにより治療方法が異なるため、正確な診断が必要です。食生活の欧米化、ピロリ菌感染の減少により、近年患者さんは増加しています。(成人の10-20%)日々の生活の質が下がってしまう原因になります。早く正しい診断をつけ、適切な治療を始めましょう。生活習慣を改善しても症状のとれない場合には、お薬も良い選択です。ご相談ください。

バレット食道

もともと日本には少なかったのですが、生活様式の欧米化(高脂肪食・肥満)を背景に増加している病気です。消化液の逆流により食道下部の上皮が損傷を受けて(逆流性食道炎)、バレット粘膜に置き換わった食道のことをバレット食道といいます。一番の問題点は食道がんの発生のハイリスクであるということです。食道がんの早期発見のためにバレット食道と診断された場合には必ず定期的な胃カメラを受けましょう。

食道がん

食道がんは食道の内面をおおっている粘膜の表面に発生します。がんが食道の壁の粘膜内にとどまるがんを早期食道がん、粘膜下層までしか及んでいないがんを表在食道がん、それより深い層まで及んでいるがんを進行食道がんと呼びます。粘膜にとどまるがんでは、食道を温存できる内視鏡的切除術が標準治療として推奨されていますが、粘膜を超えてくると放射線・抗がん剤・手術などの体への負担が大きい治療が必要となります。そのため、なるべく粘膜にとどまる早期がんでみつけたい疾患です。しかし、食道がんの初期には自覚症状がないことがほとんどで、早期発見のためには胃カメラを行うことがすすめられます。特に食道がんのハイリスクにあてはまる方は要注意です。

○食道がんの自覚症状:

初期には自覚症状がないことがほとんどです。がんが進行するにつれて、飲食時の胸の違和感、つかえる感じ、体重減少、胸や背中の痛み、咳、声のかすれなどの症状が出ます。胸や背中の痛み、咳、声のかすれなどの症状は、肺や心臓、のどなどの病気でもみられますが、肺や心臓やのどの検査だけでなく、食道も検査することが大切です。

○食道がん発生のハイリスク:

男性、年齢は60-70歳代、喫煙と飲酒をされている方。また内視鏡検査でバレット食道と診断されている方。

胃の病気

胃アニサキス症

アニサキス症とは、アニサキスという寄生虫がいる魚介類(サバ・アジ・サンマ・カツオ・イワシ・サケ・イカなど)を食べた数時間後に急な腹痛を起こす感染症です。治療としては胃カメラでアニサキスを取り除く必要があります。クリニックでは緊急の胃カメラにも適宜対応いたしますので、まずはクリニックにご連絡ください。

胃ポリープ

ポリープといっても、すべてが同じ性質ではありません。胃のポリープの代表としては胃底腺ポリープと過形成性ポリープがあります。しかし、両者はその性質が大きく異なります。胃底腺ポリープは基本的には悪性化しないため、放置で構いませんが、 過形成性ポリープではまれに癌の合併することもあり,大きさ1cmを目安に内視鏡的切除(ポリペクトミー)の適応を考慮します。胃のバリウム検査でポリープを指摘された場合には、胃カメラでどのポリープに相当するのかのチェックをしましょう。

ピロリ菌感染(萎縮性胃炎)

長期間にわたって胃の粘膜に炎症が続くと、胃の粘膜が萎縮していきます。この状態を萎縮性胃炎といいます。そのほとんどはピロリ菌の胃への感染が原因です。萎縮性胃炎が進行すると胃液が十分に分泌されないため、食欲不振や胃もたれ、胃痛などの症状が出ることもありますが、自覚症状がなく進行していく方もいます。萎縮性胃炎で最も問題になるのは、胃がんのリスクが高くなることです。そのため、萎縮性胃炎がある場合には、ピロリ菌の感染の有無を診断し、除菌治療の検討が必要です。

胃・十二指腸潰瘍

胃や十二指腸に深い傷(潰瘍)ができる病気です。原因としてはピロリ菌によるものが大部分で、次に薬、特に痛み止めの薬によるものがあります。潰瘍ができると出血して、血を吐いたり、真っ黒な便がでたりすることがあります。胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)で診断されます。特に胃がんでも潰瘍ができて、同じような症状が出ることがあるため、胃がんとの鑑別のためにも、胃カメラを受けることを強くお勧めします。

〇主な症状

もっとも多いのは上腹部あるいはみぞおちの痛みです。鈍い、うずくような、あるいは焼けるような痛みが続くのが特徴的です。また空腹時に痛みが強く、食事をとることで痛みが軽くなる傾向はありますが、絶対的なものではありません。そのほかには、腹部膨満感、悪心、嘔吐、胸やけやゲップなどがみられます。

〇生活習慣や食事で注意することは

たばこやストレスは潰瘍を発生させやすくします。また、強いストレスがかかると急性胃粘膜病変という病気が発生しして、突然お腹が痛くなったり、吐いてしまったりすることもありますので、喫煙と過度なストレスは避けるべきです。また、カフェインや香辛料などの刺激物、またアルコールの大量摂取も潰瘍の発生を高めるとされます。刺激物の多量接種や多量飲酒は避ける方が望ましいです。

胃がん

胃がんは、胃の壁の最も内側にある粘膜内の細胞から発生します。大きくなるにしたがってがん細胞は胃の壁を越えて広がったり、他の臓器に転移をしたりします。

〇胃がんの原因

喫煙や食生活習慣(塩分の多い食品の過剰摂取や、野菜、果物の摂取不足)や糖尿病・肥満が危険因子とされますが、特にヘリコバクターピロリ菌の持続感染が胃がんリスクを高めると報告されています。ピロリ菌に感染した胃粘膜は徐々に萎縮して慢性萎縮性胃炎となります。慢性萎縮性胃炎の胃粘膜からは胃がんが発生しやすいため、ピロリ菌が胃がんのリスクを高める因子と考えられています。そのため感染していることがわかれば除菌療法が推奨されるとともに、胃がん発生の高リスク群として定期的な胃の検診を受けることが勧められます。

〇胃がんの治療

胃がんの治療は、手術(外科治療)、内視鏡治療、抗がん剤治療の3つが中心になり、治療法は「病期(ステージ)」に基づいて決まります。ステージが高くなると抗がん剤・手術(外科治療)などの体への負担が大きい治療が必要となります。逆に早期がんであれば、内視鏡治療だけで治療が完結することが期待されます。そのため、なるべく早期がんでみつけたい疾患です。しかし、胃がんの初期には自覚症状がないことがほとんどで、早期発見のためには胃カメラを行うことがすすめられます。特にピロリ菌に感染している、ピロリ菌を除菌した経験のある方の場合には胃がんが発生しやすい方々のため定期的な胃カメラを強くお勧めします。

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