急に調子が悪くなる病気
急性胃炎・急性胃潰瘍
急性胃炎と急性胃潰瘍は急な腹痛,吐き気・嘔吐,腹部のはり感などを引き起こす胃の病気です。胃に出血もあると、吐血や貧血症状も出ます。原因として,①ストレス(精神的・身体的),②薬剤(鎮痛薬,ステロイドなど),③感染症(アニサキス,ピロリ菌感染など),④飲食物(アルコール,香辛料など)が挙げられます。クリニックでは症状の緩和と緊急の胃カメラでの原因の究明に努めます。
急性腸炎(急性胃腸炎)
急性腸炎とは,急に下痢,発熱,腹痛,嘔吐を引き起こす小腸と大腸の炎症性の病気です。原因のほとんどは感染症で、夏には細菌,冬にはウイルスによる急性腸炎が多く発生します。多くの場合,数日から2週間以内に自然に治りますが、下痢や腹痛の症状が強い場合には早めの治療が必要です。また、出血や2週間以上も症状が続く場合には、大腸カメラでの精密検査の検討も必要です。
急性虫垂炎
一般には、「盲腸(もうちょう)」と呼ばれる急にお腹が痛くなる病気です。正式には虫垂と呼ばれる大腸の一部に炎症が起こる病気ですので「急性虫垂炎(きゅうせいちゅうすいえん)」と呼ばれます。急な右下のお腹の痛みの場合には、急性虫垂炎かもしれません。緊急で手術が必要なときもあるため、早めの受診をおすすめします。
大腸憩室症
大腸憩室とは、大腸の壁の一部が袋状に突出したものです。大腸カメラでは便が挟まっているのが観察されます。便秘などや加齢が原因と考えられています。症状がなければ、経過観察で構いませんが下血(憩室出血)や腹痛(憩室炎)があれば治療の対象になります。緊急手術が必要となる急性虫垂炎と症状が似ていることもあり注意が必要です。