アニサキスについて
こんにちは。さくら内視鏡クリニック品川の瀧田です。今日はアニサキスについてお話ししたいと思います。
アニサキスは寄生虫のひとつで、その幼虫はサバ、サンマ、カツオ、アジ、イワシなどの魚介類に寄生しています。これらを摂取することでアニサキス幼虫が体内に入ると、胃や腸の壁にアニサキスが嚙みつき、食中毒を起こすことがあります。これをアニサキス症といいます。
アニサキスは主に魚介類の内臓に寄生していますが、時間経過とともに内臓の外へ移動するとされています。十分な冷凍や加熱調理でアニサキスは死滅するとされ、食中毒はこれらの生食で起こることが多いですが、冷凍や加熱が不十分な状態でも起こることがあります。また、調味料では予防できません。よく噛んで食べればよいという説もありますが、アニサキスは細い糸のような形で丈夫なので、嚙み切ることは難しいとされています。
食中毒の多くが胃アニサキス症です。食後数時間後から十数時間後に、急なみぞおちの痛みや吐き気を訴えるのが、典型的な症状です。胃カメラで診断することができ、アニサキスをつかんで取り除くことが治療となります。取り除くと痛みがすっかりなくなることが多いです。逆に、胃カメラで取り除かないと、数日間痛みが続くことが多いとされています。
頻度は多くありませんが、腸アニサキス症というものもあります。これは小腸あるいは大腸にアニサキスが噛みつくことで、食後十数時間後から数日後に激しい腹痛と嘔吐をきたすものです。ここまでアニサキスが進んでしまうと内視鏡で取り除くことは難しく、症状に対する治療をおこない、アニサキスの死滅を待つことになりますが、まれに腸閉塞や腸に穴があく原因となります。
アニサキスはアレルギーの一種と言われており、一度起こしたことがある方は、また起こしやすいことが知られています。過去にアニサキス症をされた方が、たぶんまたなっていると来院されたときは、胃カメラをするとほぼアニサキスがいます。アニサキスをされたことがない方も、思い当たるふしがある方はいつでもご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。