胃潰瘍について
こんにちは。さくら内視鏡クリニック品川の瀧田です。今日は消化性潰瘍についてお話ししたいと思います。
消化性潰瘍は胃潰瘍および十二指腸潰瘍のことで、胃や十二指腸の粘膜がある一定の深さまでえぐれた状態をいいます。一昔前までは手術をしないといけないようなことも多々あったようですが、数十年前に胃酸分泌を抑えるお薬が発売され、以後はほとんどの消化性潰瘍がお薬で治せる時代になりました。
消化性潰瘍は胃酸のような攻撃因子と、粘液や血流といった防御因子のバランスが崩れたときにできると考えられてきました。現在はピロリ菌と非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs:アスピリンやロキソニンなど)が二大原因と考えられています。強烈なストレスが加わったときにも発症することがあるとは言われていますが、多くの場合はピロリ菌がいる、あるいはNSAIDsの内服をしている方に発症します。
症状としてはみぞおちの痛みや吐き気、胃もたれや食欲低下が起こります。胃潰瘍は食後、十二指腸潰瘍は空腹時に症状が出やすいと言われています。出血をきたすと腸のほうに流れて真っ黒なお通じが出たり、量が多ければ吐血することもあります。えぐれが深くなって穴が開いてしまうと、強い腹痛が起こって、緊急手術を要することがあります。また、治る過程で胃や十二指腸がひきつれてしまうと、食べ物が通りにくくなり、嘔吐をきたすこともあります。
消化性潰瘍は胃カメラで診断することができますので、疑わしい症状のある方は一度検査をおすすめします。多くの消化性潰瘍はお薬で治癒が得られます。また、胃潰瘍のようにみえても、実は胃がんであったり、ほかのご病気の症状のひとつであることもあります。なので、組織検査で評価することがのぞましいですし、数か月後に胃カメラをもう一度飲んでもらって、きちんと治っているかの確認が必要です。ピロリ菌が原因の場合は、除菌もしたほうがよいでしょう。お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。