便秘

便秘は「本来体外へ排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されます。排便の習慣は個人差が大きいので、回数や量で規定することは難しいのですが、上記に該当し、検査や治療を要する場合を便秘症といいます。

便秘にお困りの方は人口の数%から20%以上に及ぶとされ、60代までは女性のほうが多いようですが、加齢にともなって男女とも増加して、性差は少なくなるようです。排便の回数が減るだけでなく、残便感があったり、過度にいきまないと出ない、あるいは硬くてなかなか出ないといった状況も便秘といえます。

便秘

便秘は器質性のものと、機能性のものに大別されます。器質性とは大腸の形に病的な変化を認め、それにより便が出にくくなった状態をいいます。大腸の中が狭くなって便が出なくなる場合と、逆に広くなりすぎたり、変形して出なくなる場合に分けられます。大腸がんや腸炎、腸閉塞がこれにあたり、まずはこういった病気でないことを確認することが重要です。

機能性は大腸の形の変化は有さないものの、排便機能になんらかの障害が起こり、便秘になった状態をいいます。回数や量が減少して起こる排便回数減少型と、直腸や肛門の機能が低下して起こる排便困難型に分けられます。一部の全身疾患や薬剤も便秘の原因となるため、注意が必要です。

便秘

便秘の治療にはどのようなものがあるのでしょうか。まずは治療を要する疾患がないかを検索することが重要です。特に、血便や体重減少がある場合や、50歳以上の方で3年以内に大腸カメラを受けていない場合には、大腸カメラをおこなって大腸がんなど便秘の原因になる疾患を除外することが推奨されています。そういったものがない場合は、生活習慣・排便習慣の改善をおこなった上で、薬物治療をこころみることになります。それでも症状が改善しない場合は、さらに詳しい検査を検討していくことになります。

この何年かで便秘に対して使えるお薬がだいぶ増えました。お気軽にご相談いただければ幸いです。

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当院は予約制となっております
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