潰瘍性大腸炎

小腸あるいは大腸に炎症が起こる病気を炎症性腸疾患といいます。潰瘍性大腸炎はそのひとつで、大腸の粘膜が炎症でただれたり、えぐれたりする疾患です。原因としては免疫系の不調が推測されていますが、まだはっきりとはわかっていません。発症のピークは20代にあるとされますが、お若い方からお年を召された方まで発症しうる病気です。性差はありません。本邦で年々増加傾向にあり、およそ750人に1人が罹患しているとされます。

症状としては、血便や下痢、腹痛があります。重症になると、発熱や貧血をともなったり、体重減少をきたすこともあります。突然の激しい腹痛や、血便で発症する方もおられますが、いつもならおなかをこわしても数日で治まるのに、なかなか腹痛や下痢が落ち着かないということで来院される方も多いです。また、大腸だけでなくほかの臓器に症状があらわれることもあります。

大腸ポリープ

診断に必須なのは大腸カメラで、こういった症状をお持ちの方には検査をおすすめすることになります。大腸カメラで炎症の様子や広がりを評価し、組織検査でさらに詳しく調べていく、という流れになります。ただ、この疾患の診断は、この検査がこういう結果なので潰瘍性大腸炎、というシンプルなものではなく、経過と検査結果を総合的に判断し、ほかの病気を除外していく必要があります。

メインの治療はお薬で、症状の程度と炎症の広がりに応じて、内服や坐薬、あるいは注射薬などを選択していくことになります。状況により、適切な治療ができる施設をおすすめする場合もあります。治療の目標はまず症状が落ち着くことです。その次の目標は、大腸カメラで腸の炎症がおさまることです。症状が落ち着いてお薬を止めるとぶり返す方も多いので、長いおつきあいが必要になる疾患でもあります。

大腸ポリープ

また、潰瘍性大腸炎により腸の広汎な炎症が長期間続くと、大腸がんのリスクが高まることが知られています。潰瘍性大腸炎と診断されている方は、症状が落ち着いていても定期的に大腸カメラをお受けいただくことをおすすめいたします。

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当院は予約制となっております
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